wild poker~ワイルドポーカー~
真実 【side‐A】

グルグルと辺りを見回すが、やはりそこは俺の知っている街だった。

それを認識した瞬間……走り出す。

「……千尋ちゃん!!」

そう俺を呼ぶ藤谷の声が聞こえるが、それを無視して走り続けた。

行き先は勿論……決まっている。

もう何度通ったかも分からない見慣れた道を走り抜け、そして勢いよく角を曲がる。

するとそこには俺の記憶と違わず、大きなマンションが姿を現した。
< 295 / 449 >

この作品をシェア

pagetop