wild poker~ワイルドポーカー~

それは微かに《赤く》染まった……二枚のカード。

「《ダイヤのJ》と……《ハートの9》」

そう小さく彼の手にするカードを呟くと、須藤さんはニッコリと爽やかな笑みを浮かべて見せる。

その笑みは俺が彼と出会ってから何度も見てきた笑みだったが、何故かそれは酷く歪で……そして禍々しい微笑みだと思った。
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