幼なじみじゃイヤなんだ。
「うわっ!何してんだよっ!!キスしたくらいで動揺してんなよ!」


「な、な、な、なにを言ってるのよ!陸人は!」


「ははは!真っ赤だぞ!そっか!ファーストキスってやつか?」


「キ、キ、キスなんてしてないわよ!!!」


「隠さなくてもいいって!ここ最近、姉、おかしかったもんな。特に流兄の前とか、流兄の話しをした時とか、動揺してるの丸出し!そりゃぁ気付くって!」


「えぇぇぇっ!?ち、ちがっ……」





えぇぇぇっ!?気付かれてるの?





「流兄のこと好きになったんだろ?じゃあ、キスくらい普通だろ?それくらいで動揺してたら、次、どうするんだよ」


「あ゛ぁ───っ!キスキスとか言わないでよっ!してないって言ってるでしょ!しかも、次、って何よ?」


「は?高校生にもなって冗談だろ?キスの次にすることくらい知ってんだろ?カマトトぶんな!」


「バ、バカにしたわね!って……あ、お父さん…」





たった今、起きてきたお父さんが、わなわな震えながら、ダイニングテーブルの前に立っていた。



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