幼なじみじゃイヤなんだ。
眩しく光るグラウンド。

真っ青の空には真っ白な入道雲。

窓の外は8月のうだる様な暑さを物語っていた。




黒板に書かれた公式の数々をノートに写しながら

私は教室のいつもの席に座っている。




私の真後ろの席は空席で、



さみしいような

ホッとしているような



そんな複雑な気持ちを抱えていた。







「桜、写し終わった?」


「ううん、まだ。早苗はもう写したの?」





早苗が私の机の前に立つ。





「とっくに。っていうか、授業中に写し終わってるよ。早く写して帰ろう!お腹空いちゃった」

「うんうん。もう少し…」





今日は1週間続いた全員参加補習の最終日。





「それにしても、ずるいよねぇ、なんでサッカー部だけ補習免除?合宿中だから仕方ないけど、なんか納得いかないわー」





早苗が不服そうにそう呟く。





「でも、その代わりに、いっぱい宿題追加されるんでしょ?それもかなり嫌だよ。って言うか、早苗はマサくんに会えないっていうのが、納得いかない理由なんじゃないの?」





私の言葉に、ふふふ…と含み笑いをする早苗。





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