神様のイジワル



もう優心の姿があやふやにしか見えない時だった。







「紗那!!!」








優心の呼ぶ声…





おもいっきりなげかけるように私に叫んだ。








「本当は…本当は、俺が、紗那を幸せにしたかったけど、」








暗闇が優心の姿を消していく…



遠い遠い所から愛しい声だけが聞こえる――











「大切な人を見つけて、結婚して…、俺といたときよりも幸せになれよ!!」










目からは大粒の涙がこぼれ落ち、止まることなく流れていく。






あなたを、想って――――

















「もう、俺を思い出して泣いたりすんなよな!」








そんなの、今でも泣いてるからしばらくはムリだよ…







今度は私も、と思い、腹の底から叫んだ。









「優心こそ!!幸せになってねー!!!!やくそくー!!」










「おうっ!!約束な!」




そう言い残し、優心は私の前からいなくなった。


















本当に、本当に、






これで










"バイバイ"――――――




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