シブヤクーロン

 一週間も経つと、さすがにやばいと思った。毎晩違う男とふらふら遊び歩いてたほうが、気楽だ。


毎日いつ帰って来るか分からない主人の家で、ぁたしはなにしてんだろう。
 

そろそろここを出ようか。うん。


ずっと友達もいない。一日中ひとりで寂しい。
家に帰るかな‥
いや‥だな。
でもとりあえず、ここは出るか。
 
 
 毎晩の電話は、ご飯食べたとか、誰か来たかどうか聞かれるだけだった。
答えると、タカはあわただしく切る。
今夜は明日出ていくと言おうと思っていた。 
 
 

”ピンポーン!”
 
 
 チャイムが鳴っても出ちゃいけないことになってる。タカが帰るときは自分で鍵を開けるから出るなと言われていた。
だけどなんだかしつこい。
そーっと覗きに行くと、あのときの美麗さんがいた。
 
 
 
”ゆりちゃ~ん、いるぅ?覚えてるかなぁ。美麗だけど~”
 



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