妄毒シチュー

唇が触れる直前で、突然大きな声を出したあたしに


「……何?」

自称天使は少し体を離し、眉をひそめてあたしの顔を見た。
真っ赤な顔を見られたくなくて、顔を反らしながら冷蔵庫を指差した。

「大変!ビールがもう無くなっちゃった!」

「は?」

唐突にビールが無いと大声で叫んだあたしに、彼は不機嫌そうに小さく首を傾ける。

「ほら!あたしのお願いは何でも聞いてくれるんでしょ?
お酒買ってきて!今すぐ!!」


あたしが叫ぶように言うと、彼は諦めたように抱きしめる腕を緩めてため息をついた。



「はいはい」


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