~とある教師と優等生の恋物語~
もう本日何度目だかわからなくなったため息で


「お前うるさい」


たまらなくなって声をかけた。


「は?」


「ため息つきすぎ。うつるじゃん、ため息」


「……ああ、すいません」


やけに従順だとかえって気持ち悪いし、返って気になるものだ。



(仕方ねぇなぁ…)


飲めば?と白川の横に置いた缶コーヒーはさっき飲もうと思って買ってきたものだった。


「あ…、ありがと」


「休憩したら?さっきからまるで筆が動いてないんだけど?」

うん。気分転換しよっと、と立ち上がった彼女が俺の作業している机にヒョイと腰掛け、俺の手元を覗き込む。



「…なんで俺のトコくんの?元気なら他で出せば?」
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