飼い犬に手を噛まれまして
「ま、それはこの料理食べてから考えよう! 郡司先輩ねちゃったから二人とも、モリモリ食べてよねー!」
膝の上に先輩を寝かせたまま、料理を取り分ける。
プロバンス風の料理に様々なソースを用意してある。
「パンも手作りですか?」
みはるさんが不思議そうに首を傾げた。思えば、先輩も同じような反応して「パンは買うもんだと思ってた」と不思議そうな顔をした。
「そうなの、結婚祝いに朋菜がホームベーカリーをくれたから簡単に焼けるんだよ」
「朋菜さん、元気ですか? 会いたいなー!」
ワンコが嬉しそうな声をあげると、みはるさんがほんの少しだけ眉をピクピクさせる。
「今日、本当は呼ぼうと思ったんだけど臨月なの。お腹が重そうだし、大変かなと思って。来月には女の子が産まれるよ」
「いよいよなんですねー!」