飼い犬に手を噛まれまして



「紅巴……」


 掠れた声がキスを制止させる。



「ごめん……私……」



 先輩のこと満足させられない。先輩はいつもいつも私をリードして最高にセクシーに誘ってくれるのに……



 どうしよう……先輩酔って怠いのに……


 私、いつも先輩任せにしていた? これからずっと一緒にいると誓った相手なのに、キス一つ満足にできなかったら先輩だってガッカリだ。



「もう一回してもいい? キス」


 先輩は、いいよ、と余裕の笑み。



 その唇を塞いで、普段先輩が私にしてくれるキスを思い出す。


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