飼い犬に手を噛まれまして
「紅巴のキスやばかったよ……一生懸命すぎて可愛かった」


 自分の顔が一瞬で真っ赤になるのがわかった。


「あっ……」


 先輩の指が私の鎖骨を何度もなぞる。



「ここ……副社長に触られてただろ?」


「見てたの? みはるさんと話てたから、こっちなんて気にしてないのかと思った」


「見てたよ。嫉妬で狂いそうになるくらいに。

 でも紅巴は俺のものだし、年下相手にムキになってもしょうがないからな」


「あ、それだから間違えてシャンパン飲んじゃったの?」



 先輩は、ふっと吹き出す。


「多分」



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