【短篇】幼なじみ
「あおっぺ。ごはん食べたの?」


「え?ううん。まだ…。」


今日は、自分で作らなきゃいけないし。


「ふ~ん。俺も食べてないんだぁ。あおっぺ、作るでしょ??俺、食べてっていい?」


藤の瞳が眼鏡の奥で光る。


「…うん。いいよ。」


私はキッチンへ向かった。


「ありがとっ。絶対に、そう言うと思ってたよ。あおっぺ、優しいから。」


太陽みたいに笑って藤は、ソファに寝転がる。


「オムライスでいい?それしか、上手くできないの。」


キッチンから藤に尋ねる。


まるで新婚さんみたい。

「んー?オムライス?俺、それ好きぃ。」


「…じゃあ、オムライスね。」


藤の口から好きっ聞くと、ドキッて心臓が跳ねる。


オムライスじゃなくて、私に好きって言ってよ。

私は、藤が好きなんだよ??
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