"朱雀"【唯一無二の光】



私は今までのことを話した。

親から暴力をうけていること。

お兄ちゃんがいなくなって、その暴力の数が増えたこと。

「すごく痛かった。心も体も…。だから毎日泣いてた。でもね?ある日、その涙め出なくなったの…。それから手首をきるようになった。手首から流れる血は、私の涙の代わりにながれてくれるの。それをみるとなぜか気持ちが楽になるんだ…」

「……」

話し終わった後は沈黙。

みんなは私をじっと見てた。

その表情は悲しげで…。

「麻理亜…いつから?」

それからちょっとたって、やっと隆司が口をひらく。
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