pianissimo.
「なんか、ごめんね」

酷く困った顔で謝られ、泣きたくなった。

きっと面倒臭い女だと思われた。嫌われたかもしれない。私の気持ちがライガにとって迷惑極まりない重荷になったかも……。



「謝らなくていいよ。ライガは悪くない」


勝手に好きになっただけ。ライガは特に何もしていない。

私みたいにライガに想いを寄せている子は他にも沢山居る。その一人一人がそれぞれに切なさを抱えて……。



「ならいいけど。これからは気を付けるよ、色々と……」

無理矢理に笑って見せて、それでも辛そうにライガはそう言った。


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