誠の桜に止まる蝶
私はひたすらまっすぐ歩いたような気がする。

「ここ、どこ?」

あたり一面光でどちらが前だか見えない。

「こっちだよ。」

「え?」

気が付くとお母様の守護かつ桜の精霊である桜が手を引いていた。

「桜・・・来てくれたの?」

「ええ。瑠璃との約束だもの。それに、あなたたち親子を正しい道へと導くのが私の役目なのよ?」

「正しい道・・・」

「ええ。」

「ねえ、桜。私、本当にこれでいいのかな?」

私は立ち止まる。

「え?」

桜は驚いたように振り返る。

「私、沖田さんが、いいえ、総司や新撰組のみんなが大好きだよ?だからこそ、あちらの世界を選んだの。だけど・・・お父様やお母様を見捨てる形になっちゃった・・・。」

「蝶・・・あなたはこの選んだ道を後悔している?」

「ううん!後悔はしてないよ!だけどね、この道で本当に正しいのって誰かに聞かれたら、私きっとうんって即答できないから・・・だから・・・」

「ふふっ。あなたそんな気が弱い子じゃないはずたよ?」

桜はいたずらっこの微笑みで笑う。

「うん・・・」

そして優しく私の手を包む。

「大丈夫だよ。あなたの道はあなたが決めていいの。それを瑠璃や刹那もわかっているからあなたを送り出したのよ。だから自分の道に自信を持ちなさい?」

「っうん!」

桜の優しい言葉に涙があふれそうになった。
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