月の綺麗な夜に。
誕生。

出会

何処で生まれたのか、ここが何処かも私は知らない。

雨が降りしきる中、まだ目も見えずに段ボールの中で泣き叫ぶ私を暖かい手が包む。



「大丈夫か?」


そっと抱き上げられるとポケットの中に入れられた。

「家にくるか?」

独り言のようにつぶやくと、そのまま雨のなかを連れていかれた。



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