待ち受けカノジョ。
「えっ?桃香ちゃんが!?」

ソーダの炭酸で、むせそうになったオレ。

平石は真剣な表情で話を続ける。

「小川さんからメールや電話で呼び出されて、夏休みの間に何度か会ったんです」

「それで?」

「うちに遊びに来たいと言うのでOKしたんですが、その後すぐに来たんですよ。昨日の夜10時に」

「夜!ここに!」

「僕は『いつか遊びに来る』という認識だったんです。まさか当日だとは思わなかったので、シャワーを浴びてたんです」

「からの?」

「そこへ突然小川さんが来たので、僕はバスローブのままでした」

「か…からの!?」

「どういうわけか、気が付くと小川さんが近いんです。それから何となく話がシモの方になって、僕うっかり言ってしまったんですよ」

「な、何を!?」

「いつものように軽く『童貞です』って」

「なぜそこで正直申告!」

「そしたら、なんかのスイッチが入ってしまったようで、僕に迫ってくるんですよ。クーラーきいてるのに『暑い』と言って、脱ぎだしたり…」

「平石君、まさか!」

「イヤイヤイヤ。なんとかごまかして回避しましたが」

「そっか、それはよかった」

「それで、滝山君に相談なんですけど」

はい、キター!

「ああゆう場合、ヤッた方がいいんですか?」

ブホッ!

さすがに吹いた。

「小川さんから好きだと言われた事もないし、僕は小川さんの事が好きじゃありません。だから、恋人同士ではないんです」

「まぁ、そうだよね」

「なのに女の子の方から誘ってきた場合、一体どうすればいいんですか?ヤッてもヤらなくても、相手を傷つけたりはしませんか?」

「えっと、それは…」

グッと言葉が詰まる。


思い浮かんだのは、ミナミさんの顔。
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