糖度∞%の愛【編集前】

私が年上だから頑張って背伸びしているのも分かっているけれど、素をこうやってみせてくれることが嬉しくてたまらないと素直に言ったら、彼方はもっと素を見せてくれるのだろうか。

それとも、ガキ扱いしないでくださいと怒るのだろうか。


でも、無理に背伸びしなくてもいいと思うのだ。

嫌でも歳は取るし、歳を取れば相応に大人になっていくんだから。

私だって最初からこんなに可愛げのない性格だったわけじゃない、と思う。

でもそれを無理してでも背伸びして肩を並べようとしてくれる彼方だからこそ、


「大好きよ」


テーブルに肘をついて自分の顔を支えながらにっこり笑ってそう言えば、彼方は今度こそ机に突っ伏した。


見たか、私のここ一番のスマイル。
この必殺技は営業に行った時などとっても役に立つ。 異性の取引先相手に限りだけど。


それは私が自分の容姿を知り尽くしているからこそなんだけど、容姿だってなんだって使えるものは梃子でも使えが信条だ。

そんな笑顔に突っ伏した彼方は、そのままの体勢で「参りました」とあっさり降参した。





(背伸びもいいけれど、ありのままの君が好き)



(いつかきっと)

(見栄もプライドも何もかも取り払ったありのままを見せて)


< 112 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop