糖度∞%の愛【編集前】
それだけじゃなくて、なんだかぼうっとしてしまうのは、血糖値が下がっているのかもしれない。
今日のお昼を食べたのが少し遅かったからといっても、もう9時だ。
そろそろご飯を摂取しなくちゃいけない時間だとは思うんだけど行動に移すことすら億劫で、意識を真帆に集中させる。
「逃げるのもいいけど、向き合ってこそ女じゃない?」
意識が戻った瞬間に、ガツンと一発かまされて想像以上のダメージを受ける。
それはずっと思っていたことだ。
逃げていてもこの状況はどうにもならないし、むしろ余計に彼方を失うんじゃないかっていう恐怖が膨らむばかりで、ちゃんと向き合わなくちゃいけないと分かってはいた。
それでも、それは彼方をその瞬間に失うかもしれないことを示唆していて、どうしても向き合うということに二の足を踏んでいた。
「ウジウジしてるのもいつもの沙織じゃなかなか見られないから少し楽しんでたけど、それが続くようじゃ沙織じゃないでしょう?」
こうして発破をかけてくれるのは、私のことを思ってのことだと分かっている。