糖度∞%の愛【編集前】

それでもニヤニヤと何かをたくらんでいる表情を浮かべているから、何を言われるのか怖くて無意識に身構えてしまう。


「今日、予定ある?」


私の怯えに反して真帆の口から出た言葉はなんとも普通の誘いの言葉で拍子抜けしてしまった。

今日は珍しく彼方が残業で、この後の予定は何もない。

残業終わりに彼方から連絡があるかもしれないけれど、それまでは空いていた。


「なにもないけど」

「じゃあ久しぶりに付き合いなさいよ」


そんな真帆の誘いに頷いた私が連れてこられたのは、いつもの居酒屋とは違う一度も行ったことのない敷居の高そうなバーだった。


「藤城真帆、26さいでーす」


語尾にハートマークでも付きそうな真帆の自己紹介。

お前は誰だ、と突っ込みたくなるのをグッと堪えて目の前の水を飲み込む。

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