Tenjin graduation
卒業式だというのに、今日も彼は生物室に引き篭もっている。

天才の思考回路というのは、時に常人には理解できない事がある。

晴れの卒業式だというのに、それよりも己の研究の方に重きを置くのだ。

息を殺し、傾けた試験管。

その試験管の中から、まもなく薬品がフラスコに流れ込もうとした瞬間。

「邪魔するぞ、ストロマ!」

「うぉおぉおぉおおいっ!」

バンッ!と生物室の引き戸を開けた男子生徒に驚かされ、ストロマは試験管を取り落としそうになる。

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