大好きな君と
「バッグん中!」

スクバを指差しながら私を見る。

「はぁ?忘れてるって!しかも、何で春登を待たなきゃいけないの?なんで春登と一緒に帰んなきゃいけないの?おかしいんじゃない?ねぇ!」

私は、思っても居ない事を私は言っていた。
想っている事の真逆の事。

「そっか・・・・でも夏休み直前の日に圭吾と一緒に帰ってたよね?あれ・・・浮気?
悠里って浮気相手だったりして・・・笑」

冗談でも、そんな事を言われて少し嫌気がさし、イライラした。
つい、言い返してしまう。

「なに?圭吾と帰ったのは2人が付きあう前だから!冗談でもそんな事言うのやめてくれない?って何?妬いてんの?」

私も冗談交じりで、バカにしてやった。

雨が傘にあたる音がする。
2人はうつむき、雨の音がただただ、響いただけだ。

雨は私の汚れた心を洗い流すかのように、傘からはみ出した左半分に激しく当たった。
いっその事流してもらいたいくらいだった。

< 37 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop