Do you love“me”?

それでなくても混乱してるのに、突然出された自分の名前にますます頭がゴチャゴチャになる。

「稜君」

「ん?」

「ごめん。言ってる意味が、よくわからないよ」

私がそう告げた瞬間、視界の端に彼の手が映り込み、それが私の頬をそっとなぞった。

――ドクン。

久しぶりに感じた彼の手の感触に、大きく跳ね上がった心臓。

だけど、目を見開いたまま動けずにいた私に、稜君がポツリと言葉を落とした。

「翔太くんの前では、泣くんだね」

淋しそうにも、私を蔑むようにも見えるその瞳に、一瞬反応が遅れる。

「――え?」

「やっぱ俺は頼りなかった?」

その言葉で、やっと私は理解したんだ。

あの花火の日。

人前で泣いたり、弱い所を見せるのが苦手だと言った私。

そして“彼氏には時々、泣き顔も見せるかも”と、冗談で言ったはずだった。

< 124 / 396 >

この作品をシェア

pagetop