Do you love“me”?

何かもー……。

そんな苦しそうな表情でそんな事を言われたら、やっぱり期待しちゃうよ。


“ヤキモチじゃなかったら、何でそんなに怒るのか、わかんないじゃん”。

彼の様子に、この前の結衣の言葉を思い出してしまう。


そんな私の思考を――当たり前だけど読めるはずのない稜君は、私の目をじっと見つめたまま、ちょっと首を傾げた。


「翔太くん、やっぱりちょっと好き?」

そんなワケないじゃん。

目を逸らす事なく、頭をフルフルと横に振る。


「ちゃんと口で言って?」

「好きとかじゃ……ない」

私の返事に、稜君はにっこり笑ったんだけど、すぐに大きく息を吐き出して、

「俺、かっこ悪いなぁー……」

ガシガシと髪をかきむしりながら、頭を抱えたんだ。


「ごめん、美月ちゃん。俺、ちょっと自惚れててさ」

「うぬ……ぼれ?」

「うん。今、美月ちゃんに一番近い男は、俺なんじゃないかなぁなんて、勝手に思ってたんだー」

「……」

「だけどあの日、翔太くんの前で泣いてる美月ちゃんを見て――」

そこで一旦言葉を区切った稜君は、気まずそうに私を見上げた。


「何があったのかも知らないくせに、“泣くなら俺の前で泣けばいいだろ!!”って」

「子供でしょ?」と付け加えて、情けないような表情を浮かべながら笑う。


「ずっと謝らなきゃって思ってたのに、切り出すタイミング逃して……。なのに、美月ちゃんはいつも通り接してくれたから、大人だなぁってまた落ち込んで」

「そんな事……!!」

“そんな事ない”

そう伝えたかったけれど、それを遮るようにまた口を開いた稜君に、私は黙り込む。


「ちゃんと謝る為に、美月ちゃんに会いに行こうって決めた日にケガするし」

「……え?」

「あっ! でも別にそれを考えててケガしたわけじゃないからね」

「俺も、一応プロだから」と、驚く私に笑顔を向け、柔らかい口調で話を続ける。

< 148 / 397 >

この作品をシェア

pagetop