Do you love“me”?

「えっと、今日はどうされたんですか?」

別に、急かすつもりはないんだけど。

着替えの途中で電話に出たせいで、上半身はキャミ一枚という、なんとも寒々しい出で立ち《いでたち》の私は、肩の辺りをさすりながら、そう口にする。

『あ、ごめんね! 今忙しかった?』

「いえ、今仕事が終わったところだったので……」

『そっか! じゃー、ちょうど良かった!』

「え?」

相変わらずの慣れた口調で話す最上さんは、その後、困惑気味の私をますます混乱させる一言を口にした。

『これから、食事でもどう?』

「へ?」

『ん? 食事。お腹、空いてない?』

「いえ。空いてないことはないですけど。……え?」

だって、なんで私?

『じゃー、行こうよ!』

ちょっと思考が追いつかない。

「私と、最上さんでですか?」

『そう! 嫌?』

嫌というか……。

正直なことを言ってしまえば、この前の二次会でのやり取りで、あまりいい印象を受けなかったのは事実。

でも、おねぇーと航太君とも関わりのある最上さんに“嫌です”なんて、キッパリとは言いにくい。

むむむ。
どうしよう。

こういう時、彼氏がヤキモチ妬きだったりすればそれを使えるんだけど、ヤキモチ妬きどころか、ここ数日連絡さえ取れていない。

嘘もありだと思うけど、それもちょっと胸が痛む。

むむむむー……。

だけど、考え込んで、無言になってしまった私に気付いた最上さんが、

『あ、そっか! じゃー、うちのスタッフの女の子も誘うよ! そうだよね。変に誤解とかされたら、美月ちゃんに迷惑かけちゃうよな』

優しい声でそう言ってくれたから。

「すみません……。それなら、ご一緒させて下さい」

結局、気が付いた時には、流されるように食事に行くことになっていた。


< 18 / 396 >

この作品をシェア

pagetop