Do you love“me”?

私、佐々木 美月(ささき みつき)の大好きなお姉ちゃんは、今日、ずっと昔から大好きだった人と結婚式を挙げる。


ちょっと郊外の、森の中にある真っ白なゲストハウス。

高級ホテルとかを選ばなかったのが、本当に二人らしい。

「ホントにキレイなとこだなぁ」

あの二人には、こういう所がピッタリだと思った。


大きな白い建物と、その周りを囲む段々になった湖。

全部人工物ではあるのだけれど、式場を決めにスペインから一時帰国した“おねぇー”は、

「スペインにも、こういう所あるんだよ!!」

そう言って、パンフレットを見ながら、とっても幸せそうに微笑んだ。

その顔を見て“あー、おねぇーは本当に幸せなんだなぁ”と、私の頬まで緩みっぱなしだった。


「美月!!」

ついつい、おねぇーの幸せそうなその姿を思い出し過ぎてボーっとしていた私は、母の声にハッとした。


「なにー?」

「これから親戚に挨拶しに行くから、美月も早くこっち来て!」

着なれない黒い留め袖を着たお母さんが、パタパタと手招きをしている。


「はぁい」

ゆっくりと振り返った私の膝の辺りで、ふわりとドレスの裾が揺れる。

このドレスも、おねぇーと一緒に買いに行って、彼女が“絶対これ!! これ以外はダメっ!!”とゴリ押ししてきたもの。

でも、おねぇーは私の一番の理解者。

おねぇーが似合うって言ってくれた物は、友達からも“可愛いっ!”“似合う!”って、そう言ってもらえるから。

だから、このドレスだって私のお気に入り。
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