家出少女×俺様御曹司の偽装結婚ラプソディ*【完】


まだ状況のつかめないあたしに翔はクスクスと笑いながら軽く頬にキスを落とす。



「だって俺羅夢のこと大好きだし~?」

あたしのことをからかうように甘々になる翔。

「あたしのこと…好き?」

「うん。好きだ。」

「ふぇっ…う、そっ…」

「バーカ。マジだよ。好きでもない奴と結婚しねぇよ。」

「えっ…?」

「だから…羅夢のこと、出会った時からずっと好きだった…」

照れたように頬を染める翔。

本当に…?

「なんでかな。お前に…運命ってこういうことなのかって気づかされた。惹かれたんだ。全てに。」


現実…?


「本当…っ?」

「バーカ。マジだって言ってんじゃん。」

「う…ひっ…」

翔の優しくて甘い言葉に涙が止まらなくなる。

「嬉しいっ…翔…好きッ…」

「俺、伝わってると思った。そしたら、急に好きだ、とか言われて今更なに言ってんだ、って戸惑った。」

「なのに最近羅夢の様子がおかしいし。なーんかあるとは思った。こんなこととは思わなかったけど。」

「ごめん…あたし、自分に自信が持てないの。どうしても、ダメなんだ…」

「自信?要らねーよ、んなもん。あればいいのは俺への愛情だけ。」

「えっ…?」

「だってあたし可愛いでしょオーラ出してる女嫌いだし。謙虚な方が好きだし?」

「~~~!!」

そんなこと言われたの始めてだった。不器用な翔は遠回りに無理しなくていいって言ってくれてるんだ。

あたしのこと気遣ってくれてる…

やっぱり翔はあたしの特別な人。

あたしを誰よりもわかってる。


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