家出少女×俺様御曹司の偽装結婚ラプソディ*【完】
「わかったから。翔様にとって一番幸せなのはあなたといることだってこと。」
「え…」
「気づいてた?私といる時もずっと目線の先にはあなたがいた。私のことなんかこれっぽっちも眼中にないって感じでね。」
「嘘…」
「おい、余計なこというんじゃねぇよ」
「だから…私が家のことはなんとかするわ。邪魔してごめんなさい。間違ってるってやっと気づけたから…」
頭を下げて顔をあげた緑川さんの頬には涙が伝っていて。
翔のこと、ほんとに好きだったんだなって思った。
恋は、盲目。
そんな言葉があるけれど、実際にそうなのかもしれない。
あんなに緑川さんのことで悩んでいたのに、こんな姿見たら緑川さんの気持ちが痛いくらいわかるから。
「ありがとう…緑川さん、ほんとにありがとう…」
「なぜ翔様があなたのこと好きになったのかわかった気がしますわ。」
そう言って微笑んだ緑川さんの顔はあたしが今までみたどの緑川さんよりも可愛く見えた。
「おら、んなこと話してる暇はねぇんだよ。」
あたしを持ち直すと、手を降っている晶に
「まぁ…世話になった。」
そう言って再び歩き出した。