魔界のお姫様。ー3人の悪魔たちー

エルムの恋

ルウナ

あの夜から、ラウルはアタシに会いに来なくなった。


アタシがエルムと仲良くしてたから?


どうしてかわからない…


「ルウナ様?集中してください!もうすぐ王妃になるのです。王妃のマナーを身に付けなければならないのですよ?」


「…うん。」


今は、オリーブにもうすぐ結婚するアタシは王妃のマナーのレッスンを受けている。


集中したくたってラウルのことが頭に浮かぶ。


あの夜のラウルは少し
不安そうな顔をしていた。

「オリーブさん、少し休憩にしたらどうです?」


「エレン…」


エレンがティーカップ片手にやって来た。


「そうですね。
ルウナ様、今日はもうレッスンは終わりにします。」

「ありがとうオリーブ。」


一礼してオリーブは去った。


「で、またラウルと何かあったのね?」


「エレン~」


ハーブティーを一口飲み、落ち着かせる。


ネルフに負けないくらい、エレンのハーブティーは美味しい。


「ラウルさんもルウナが心配なんでしょ。エルムにとられるんじゃないかって。」


「そんなことあり得ないのに…」


「言ったでしょ?
エルムも男だからルウナに気がないとは限らないのよ。ましてや、ルウナは魅力的だから。」


「アタシが魅力的?」


「そうよ。
ティア様の美貌を受け継いでるんだもの。
それに、ラウルさんは家族がずっといないでしょ?以外と寂しがりやだったりするんじゃないかしら。」


「寂しがりや…
確かにそんな気がするけど…」



ラウルはアタシがいなくなりそうで不安なのだろうか…



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