Aimez-moi plus(Love me more)
「えー!!!」

残念ながら、こちらも予想通り・・・

「ダブルしか空いてませんでした・・・」

いつも行くホテルは駅から近い場所にあり、やはり週末ということで空きがあまりなかったらしい。

「・・・わざと・・?」

打ち合わせが時間通りに終わらなかったのはどうしようもない。

ホテルに空きがないのも仕方ないんだけど・・・

でも・・・なんとなく、この状況は後ろめたい。

「まさか!そんなにがっついてるように見えます?」

倉木くんはジャケットを脱いで、クローゼットにしまうと私の上着もハンガーにかけておいてくれた。

「・・・み、見えないけど・・・」

「けど?」

窓際でカーテンをにぎりしめていると、倉木くんがジリジリと近づいてくる。

「期待してるんだ?」

倉木くんは目の前まで来ると、すっと腕を私の後ろにまわして髪を留めていたバレッタをはずした。

「・・・ちょ・・っ・・・」

「ほら、汚したら明日着て帰るものがなくなっちゃいますよ」

そう言いながら、唇が触れてしまいそうな距離まで近づく。
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