Two of us
B.弟・一也の場合
「本当に私でいいの?」

まっすぐに一也の目を見上げる。

「キミカ以外に誰がいるんだ 何年片思いしてたと思ってるんだよ」


「軽蔑、しない?」

「なんで?」

「だって今まで紘一郎さんのことずっと好きだったのに、今度は一也・・・なんて・・・」

ばつが悪くなって目をそらすと、一也の両手が私の頬を包んで正面を向かせた。

「もう兄貴のことはあきらめたんだろう?これから俺のことだけ見てくれるなら、何も言わないよ」

「・・・本当に?」

しつこくそう聞くと、上を向かされた私の唇に一也の唇が降ってきた。

「・・・証明しようか?体で」

返事をしようとしても何度も唇をついばまれ、最後に深くふさがれてしまう。

「・・ん・・ふ」

「今日親も兄貴もいないから・・・おいで」

返事をしなくても伝わっていたみたい。

一也は私の手を引いて自分の部屋にあがらせた。

「・・・なんか、飲む?」

電気をつけた一也の部屋は思ったより片づいていて、昔みたいにマンガやおもちゃみたいなものはすべてなくなっていた。

「ううん、大丈夫」

そう返事をすると同時にゆっくりとベットに押し倒される。

「・・・一也」

「キミカ・・・」

優しいキスがだんだんと角度を変え、深くなっていく。

電気がつけっぱなしなのを指摘したが、「キミカの全部が見たい」と言われ暗くすることは許されなかった。

でも、暗くしたら思い出してしまうかもしれない。

私はシャツワンピのボタンを一つずつはずしていく一也の指先を見つめた。

心なしが指先が震えている。

「・・・一也、緊張してる?」

そう聞くと一也はびくっとして顔を赤くした。
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