Two of us
2.お姉ちゃんの代わりに
私はその夜、お姉ちゃんが挨拶に来たついでに引っ越しで着なくなった服を整理してもってきてくれたものを身につけた。

私は買わないデザイン、色。

着てみると、もともと顔つきも似ていたせいかお姉ちゃんになったような錯覚に陥った。

少しだけメイクをして、鏡の前に立つ。

複雑な想いで私は鏡の中の自分を見つめた。



そして、なんとなくふらふらと外に出た。

部屋の中にいると、お姉ちゃんの結婚が嬉しい気持ちと嫉妬が入り混ざって息苦しくなった。

外の空気を吸いに門を出ると、向かい側のバス停のいすに座っている紘一郎がいた。

座っているのに体が揺れているところを見ると、どうやら相当酔っているようだ。

私は慌てて駆け寄った。

「紘一郎さん？」

紘一郎さんの正面に腰をおろしてのぞき込む。

すると、ふわっと突然抱きしめられた。
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表紙・目次

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