空の彼方に
「でも、可愛い」

けど俺は思わず素直にそう漏らしていた。

「・・・もっと、もっと触りたい・・ずっと触ってたい・・・」

俺は指先でその体のラインをなぞる。

俺はお前の特別になりたいんだ。

俺だけを求めて、俺だけに感じて欲しい。

桐子の中から自分を引き抜くと、そこから一筋の赤い血液が出てくる。

それを見て俺は桐子の特別になれたんだと、その証を愛しく見つめた。
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