Primo Amore(初恋)
「慧、そんなんで面接行ったのか?」

「・・・まさか・・・ちゃんとして行ったよ。早く終わったからシャワー浴びてきただけ」

のっぺりとゆっくり話す口調がどことなくいらいらさせる。

確かにイオリンが言う通り、その髪型ではどうしたって印象がいいわけない。

私がじっと慧くんを見ていると、その隣でイオリンが心配そうな顔をしていた。

「ね、慧くんって彼女いるの?」

一応聞いてみた。

だって、もしかしたら、その前髪の下にはものすっごいかっこいい素顔が隠れてるかもしれないし。

「いない」

ぶっきらぼうに、でもはっきりとそう言った。

「ね、髪汚れるよ」

つっぷすようにしてパスタを口にかき込んでいる姿に私は思わず手を伸ばした。
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