あたしと彼の恋愛事情
佑真を見る余裕もないけれど、きっと固まってると思う。
「これな、本社や他の支社にもいってるらしい」
「え?」
ようやく、佑真は低い声でそう言った。
上司はため息をつきながら、その紙に目を落とす。
「別にな、うちの会社は社内恋愛はOKだし、実際結婚してるやつらもいる。ただ…」
「ただ?」
あたしは冷たくなった自分の手を、握りしめた。
「こういう物を送られて、何もしないわけにはいかなくてなぁ」