時計兎
だが、まだ頭が混乱している。
まるで遠くが大きく近くが小さく見えるようだ。

視界に霧がかかったように曇った気がした。

久遠は目を擦り、当惑する自分を落ち着かせる。


逃げ出したい気持ちを押し込める



少し怖いが倒れている少女をよく見てみることにした。
遠目で見えづらいが、わかることがあった。

どうやらその少女はうつ伏せとなって倒れているようだ。
両手を挙げそのまま倒した、一直線に身体を固めた形で倒れている。


それに、半袖にスカートという軽装、少しコンビニに出るといった薄着だった。

頭には月光で映える赤髪がある。
辺りは薄暗いが、陽光のようによく見えていた。
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