時計兎
もぞもぞと久遠の布団に彩夏が入ってきた。

彩夏の顔ははっきりそれとわかるほどに上気している。にっこり微笑みながら久遠の隣にいる。

正直暑い

だが苦言を呈することなく久遠は寝たフリを決め込んだ。

心臓が頭や爪先に血液を送るため必死に動いていた。

静かな部屋で寝息と鼓動のリフレインが響く。
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