時計兎
十四センチ
世間は花火大会前日

どうという事のない静かな夜

兎の時計は23:59を示していた

ニターと不気味な笑みを零す机の上の兎。今まで開いたことがなかった口を裂けるほど開いて嘲笑う。

あと十秒

本来動くはずのない首が傾き、壊れていたはずの時計の秒針が時を刻む。

あと五秒

人間の感知できない高い声で笑う


カチ
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