Vrai Amour ~妃奈の場合~

もう、行かなければいけない。


私はゆっくりと体を離すと、まっすぐに恒輝さんを見つめた。







「いってきます」






はっきりとそう、恒輝さんが好きだと言ってくれる笑顔で。

もちろんスーツケースのもち手を握り締める左手には恒輝さんからもらったエンゲージリングが輝いていた。
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