Vrai Amour ~斗真の場合~
2.白紙
「有絵!!!」

俺が見た光景は信じられない光景だった。

有絵がお気に入りだったベージュのカーペットは真っ赤に染まり

有絵はお腹を抱えてそこに倒れていた。


「・・・斗、真・・?」


「どうした!?今救急車呼ぶから」

俺は慌てて携帯を握り締める。

手が震えてなかなか番号がかけられない。

やっと繋がった相手にも声が震えてうまく話せなかった。

「・・・斗真・・・赤ちゃん・・・赤ちゃんが・・・」

有絵は真っ青な顔で涙を流す。

俺はその体をそっと抱きしめた。

「なんで・・・こんなことに・・・」

救急隊が到着するとすぐに有絵は担架に乗せられた。

俺は必要なものだけを準備すると、その辺にあったカバンに荷物を詰め込む。

すると、リビングに見覚えのない封筒が目についた。

「旦那さん、急いで!!!」

救急隊員に急かされて、俺はその封筒もカバンに詰め込んで救急車へと乗り込んだ。


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