俺だけの花嫁

「息子は冷たいね。真琴さん、ここでの生活は不自由してないかい?」



俺のこういった態度には馴れているため、会話の矛先を真琴に向ける。



「伊織とはどうだい?仲良くしているかい?」

「あ、はい。」

「無表情で無口な子だから扱いにくいだろう?」

「いいえ。そんなことは…」

「まぁ、せっかく夫婦になったんだ。これから期待しているよ。」



相変わらず好きに言ってくれるよな。

呆れた気持ちでチラリと見る。



「ごちそうさま。」



さっさと部屋に戻ろう。親父といたって大して会話はないのだから。
真琴に気を使わせるだけだ。



< 138 / 244 >

この作品をシェア

pagetop