俺だけの花嫁



「真琴…好きだよ。迎えにくるのが遅くなってごめんな。不安にさせて…ごめん」



真琴を抱きしめて、そっと耳元で呟く。

柔らかい真琴の感触が心地いい。



「伊織…会いたかった…会いたかったよ」



涙声で会いたかったと言う真琴。


本当に?会いたかったと思ってくれていたのか?
真琴…。



「俺もだよ」



ずっとずっと真琴に会いたかった。



「本当に…?」



不安そうに俺を見上げて呟いた。

上目遣いのその仕草がたまらなく可愛い。



「本当だよ。真琴に会いたかった。」



頬の涙をそっと拭う。



< 229 / 244 >

この作品をシェア

pagetop