この手でキミを温めさせて【短編】
「あぁ、平気平気。サクエリちゃんこそ大丈夫?」


「もう〜、絵里子って呼んでって言ってるじゃないですかぁ」


「あー…うん。そのうちね」



猫なで声ですり寄ってくるサクエリちゃんに俺は苦笑い。


おいおい…

ここはキャバクラじゃないぞー。神聖なゲレンデだぞー。


何故かさっきから迫られているような気がするのは気のせいだろうか。



「わぁーちょっとどこ行くの!?」


「先輩〜!どうやって止まればいいんですか〜!?」



繰り出され続けるハニーフラッシュを適当に受け流していると、そんな声に反応して振り向く。


──あ、やっぱり会長とマミちゃんだ。


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