おにいちゃんカレシ
「夏休みだー!」
叫んだあたしをうるさい、と小突きながら友達の中屋理子は「ここまで長かったわぁ」って息を吐いた。

期末テストが終わってついに夏休み!
クラスのみんなはなんだか浮かれぎみ、そういうあたしのテンションもあがりまくってさがらない。

「休み中はネットゲームするわ」
理子が気だるそうに読みかけの小説のページをぺらぺらとめくってる。
「またゲームするの、ほどほどにしないと目悪くなるよ?」
「あたし、少なくともあんたよりは悪くないし」
「だから余計わるくなっちゃだめじゃん」
帰りのホームルームでそんな話をしてたら、担任のユカ先生に注意されちゃった。


明日から何して過ごそうかな。

そう考えるだけでワクワクしてくるのは誰だって一緒だよね?
「ねぇ、でもさ」
理子がいう。
「一応、受験生なのは忘れないようにしなくちゃね」
「・・・・」
すっかり、わすれてた。

そんなこんなで、あたしの夏休みは幕が開いたの。

< 4 / 10 >

この作品をシェア

pagetop