カリソメオトメ
 夕方まで掛けてゆっくりと帰った。途中で約束通り美味しいソフトクリームを食べて、お昼は「ここから三軒目のお店で食べよう」とか妙な話になって、小さな食堂であまり美味しくない定食を食べた。でも、なんだか面白くて二人でケラケラと笑っていた。

 夕方、アキラの家に戻ると、アキラにベッドに押し倒されてしまった。シャワーも浴びていないのだけれど、どうやらあたしの汗の匂いに誘われてしまったらしい。
 でも、あたしもアキラが欲しかった。アキラと再会してから、あたしはまだ満足していない。もっともっとと心と身体が彼を求めている。

 あたしが淫乱なんだと思っていたけど、でも、アキラもそんなあたしを強く求めてくれている。

 アキラからの愛撫が少しずつ変わっていく。あたしが弱いところを少しずつ少しずつ探し出して、そこを可愛がってくれる。
 どこかで少しだけ違和感を感じてしまっていた愛し方なのに、今ではそれが欲しくなってしまう。それは少しずつあたしとアキラのそれが重なっているからなのだと思った。

 愛されると切なくなる。

 今までこんなに愛されたことなんてないから、愛されることが怖くなってしまうこともある。でも、そうやって少しずつ、あたしを彼が変えていく。

 もっと愛して欲しい、愛して欲しいの。あたしは運命がまだ信じられないけど、あたしがもがき苦しんで生きてきた意味は、きっとあなたと愛し合うためなの。いつもあたしの傍にいてよ。いつもあたしを抱き締めていてよ。好きな時に好きなだけあたしを愛して。きっとあたしは「もっともっと」って我侭を言うの。でもね、それはアキラが大好きだから。
 好き、大好き、誰よりも大好き。

 世界で一番なんて胡散臭いかな。でも今のあたしには、アキラが世界でいちばん大好き、世界でいちばん大切なの。

 繰り返されるそれに、あたしは朱色に染まる。彼の熱いそれが、あたしの大切な部分とぴったり合っているように思えて、すごく幸せだった。
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