君いつも僕のそばに…
僕は駅に向かってがむしゃらに走り始めた
僕は走った。

みきを見つけたい一心で。

彼女の小さな背中を思い出した。
くりんくりんの長い髪も。
涙で濡れた大きな瞳を…。


やがて空が怪しく曇り始めた。



ぽつぽつと雨が降り出す。



その雨は、徐々に強くなり、バケツをひっくり返したような激しい雨へと変わった。




みきは…どこにも見当たらない。



電車に乗ってしまったか?



ずぶ濡れになって重たいスニーカーを引きずりながら歩く。



頭が堪えられない程痛くなってきた。
もうすぐ駅だ。
身体がだるい。
だんだん目の前が真っ白にぼやけて見えた………。
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