おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
 チラっとビールのジョッキに目をやると、俺のも金沢のもあと一口で空になりそうだ。


「ビールを追加しようかな。金沢はどうする?」


「私は焼酎にする。河村君も焼酎にしない?」


「まあ、いいけど、あまり飲まないぞ」


「どうして?」


「明日出掛けるから……」


「あ、そう」


 金沢はメニューを手に取り、めくりだした。


「河村君の好きな銘柄ってある?」


「ない。俺は何でもいいよ。芋でも麦でも米でも……」


「あ、そう。水割りでいい?」


「いいよ」


 金沢は「すみませーん!」と大声で店員を呼び、焼酎をボトルでオーダーした。今夜の金沢は、何だか機嫌が悪そうだ。これは長い夜になりそうだなと、俺は思った。


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