ピアノレッスン
6.ご主人様!?
夕食を片付け、私の部屋だと案内されたのは2階の一番奥の一番広い部屋だった。

片隅にはトイレ、バス、パウダールーム、大きなウォークインクローゼットもついている。

ベットも大きなふかふかしたもので、ソファーもすわり心地が良さそうな品のいいものが置いてあった。



「さてと・・・」


私がベットに腰をかけると、あとから入ってきた秋月は後ろ手にドアの鍵をかけた。


「ちょ、ちょっと何で鍵・・・」

私が慌てて立ち上がると、秋月は気にすることなく目の前にあるテーブルセットに飲み物を用意し始めた。

そして、全てをセッティングし終えるとソファーにどっかと座り込む。




「・・・どこから話そうか」



自分で用意した紅茶に口をつけながら、踏ん反り返るように背もたれに腕をかける。


「ちょっと、あなた、執事のくせに」

と言い掛けたところで、秋月にじろりとにらまれる。

「・・・言っておくが、ここにいる間は俺は執事ではない」

「は?」

意味不明な言葉に首をかしげると、秋月はカップをソーサーに戻しゆっくりと立ち上がった。

そして、私のところまで歩いてくるといきなり私の肩を強く押し倒した。
< 34 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop