彼女志願!

「よかったですよ。よかったに決まってるでしょう!」



苛立ったような声に、またビクン、とする私。


それから彼は、ぺたんと床に座ったままの私の前にしゃがみ込むと、頬を傾け、唇を押しつけてきた。



「――!」



まだ、私の口の中には……。



とっさに彼の胸を押し返そうとしたけれど

穂積さんはその手をやすやすとつかみ、両手をひとまとめにして、壁に押しつける。



ぎゅうぎゅうと背中を壁に押しつけられながら、

穂積さんのキスを受け止める。





< 273 / 648 >

この作品をシェア

pagetop