彼女志願!
『穂積です』
「あ、穂積さん、あの、今、メールを、その、えっと……!」
『初稿をお持ちしました』
「へっ!?」
『近くにいるんですが。ご在宅ですか?』
「あ、はい……」
初稿を持ってきてくれただけなんだ。
よかった、もうあのことは冗談として流されてるんだ、と思いつつ――
だけど、なんだか寂しくもあって、胸が痛くなる。
穂積さんにとって、私はたくさんいる作家の一人にしか過ぎないって
わかってはいるんだけど、思い知らされたような気がして……。